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商品別の粗利をモール横断で出す方法 — 手数料・送料・広告費まで引いた本当の粗利と計算例

複数のモールで同じ商品を売っていると、「この商品は儲かっているのか」という質問に答えるのが急に難しくなります。売上はモールの管理画面で見られますが、手数料・ポイント・送料・広告費はモールごとに仕組みが違い、しかも別々の画面や請求書に分かれているからです。この記事では、商品別の粗利をモール横断で出す手順を、計算例つきで紹介します。

なぜ「商品別×モール別」で見る必要があるのか

店舗全体の粗利率では赤字商品が隠れる

店舗全体で粗利率が30%あっても、その中には粗利率50%の商品と、広告費を引くとマイナスの商品が混ざっています。全体の数字だけを見ていると、赤字の商品に広告費をかけ続けていることに気づけません。

同じ商品でもモールによって粗利が違う

同じ商品・同じ販売価格でも、モールによって手数料率、ポイント原資、配送方法、広告の効き方が違います。その結果、「楽天では黒字、Amazonでは赤字」ということが普通に起こります。商品別に見るだけでなく、モール別にも分けて見ることで、どのモールで伸ばし、どのモールで抑えるかを決められます。

商品別粗利の計算式

商品別の粗利は、次の2段階で出します。

広告前の粗利 = 売上 − 原価 − モール手数料 − ポイント・クーポン原資 − 送料・梱包費

広告後の粗利 = 広告前の粗利 − その商品にかかった広告費

ポイントは、広告費を「店舗全体の経費」ではなく商品ごとに割り当てることです。モールの広告レポートは商品(またはキャンペーン)単位で出るので、それを商品にひもづけます。

商品別粗利の計算式

モール横断で出す5つの手順

1. 商品コードをそろえる

一番つまずきやすいのがここです。楽天の商品管理番号、AmazonのASINやSKU、Yahoo!ショッピングの商品コード、自社サイトのSKUは、それぞれ別のコードになっていることが多くあります。まず「社内の商品コード ↔ 各モールのコード」の対応表を作ります。セット商品やバリエーション(色・サイズ)がある場合は、どの単位で粗利を見るかもここで決めておきます。

2. モールごとの売上データを集める

各モールの注文データを、同じ期間・同じ単位(税込か税別か、キャンセルを含むか)でそろえて集めます。楽天・Amazon・ShopifyはAPI連携で取り込める仕組みが一般的ですが、Yahoo!ショッピングは管理画面から出したCSVを取り込む形になることもあります。どちらの場合も、集計期間とキャンセルの扱いをそろえることが大切です。

3. 原価と変動費を当てはめる

商品ごとの原価(仕入れ値)を対応表に入れ、モールごとの手数料率、ポイント原資、送料・梱包費を当てはめます。手数料はモールやカテゴリ、契約プランによって違うので、自店舗の実際の請求額や料率表で確認してください。

4. 広告費を商品にひもづける

広告レポートから、商品ごと(またはキャンペーンごと)の広告費を取り出し、手順1の対応表で社内の商品コードにひもづけます。1つのキャンペーンに複数の商品が入っている場合は、広告経由の売上の比率で按分するのが実務的です。

5. 商品×モールの表にする

縦に商品、横にモールを並べ、それぞれのマスに「広告後の粗利」と「広告後の粗利率」を入れます。これで、どの商品をどのモールで伸ばすべきかが一目でわかります。

計算例:同じ商品を2つのモールで売った場合

以下は説明用の計算例です。数字はきりのよい架空の値で、実在の商品やお客様の数字ではありません。販売価格3,000円の商品を、モールAとモールBでそれぞれ月100個売ったとします。

項目(月100個) モールA(計算例) モールB(計算例) 売上 30万円 30万円 原価 12万円 12万円 モール手数料 3万円 4.5万円 ポイント・クーポン原資 1.5万円 0円 送料・梱包費 5万円 6万円 広告前の粗利 8.5万円 7.5万円 広告費 3万円 9万円 広告後の粗利 5.5万円 −1.5万円

売上は同じ30万円でも、モールAでは5.5万円の粗利が残り、モールBでは1.5万円の赤字です。モールBの広告費(9万円)が、広告前の粗利(7.5万円)を上回っているのが原因です。

計算例:同じ商品でもモールによって広告後の粗利が違う

この場合、モールBでは広告の入札や対象キーワードを見直すか、広告を抑えて自然検索の売上を中心にする、といった判断ができます。どこまで広告費をかけてよいかの考え方は、ACoSの損益分岐点を出す方法で詳しく書いています。

よくある失敗

粗利を「売上 − 原価」だけで見る

モール手数料・ポイント・送料を引かずに粗利を出すと、実際よりかなり大きく見えます。特にポイント原資やクーポンはセール期に大きく増えるので、月ごとに入れ直す必要があります。

広告費を店舗全体で割る

広告費を売上比で全商品に均等に配ると、広告をたくさん使っている商品の粗利が良く見え、広告を使っていない商品の粗利が悪く見えます。広告費は、全額でなくても、できるだけ商品単位でひもづけるのが基本です。

エクセルの更新が続かない

最初の1回はエクセルで作れても、毎月・毎週、4つのモールのデータを集めて対応表に当てはめる作業は手間がかかります。更新が止まると、判断も古い数字のままになります。データをまとめる考え方はECのデータ連携とEC売上の見える化にもまとめています。

AI分析で伸ばした手順を、ツールにしました

私たちは運用支援で、この「商品×モールの広告後粗利を出し、伸ばす商品と抑える商品を分ける」作業をAIによる分析で回してきました。運用支援での実績の例として、Amazon広告のROASが320%から580%(最高月)になったケースや、楽天RPPのROASが約200%から約400%になったケース、月商1,451万円・前年同月比+15.5%になったケースがあります。成果は商品や市場の状況によって変わります。

この手順を誰でも使えるようにしたのがEC Choice AIです。楽天・Amazon・Shopifyの売上と広告費をまとめ、Yahoo!ショッピングはCSVで取り込んで、商品ごと・モールごとの広告後の粗利を出します。まずは手元の数字で広告の損益分岐を確かめたい方は、無料の広告の損益分岐 ACoS・ROAS 計算ツールもお使いください。

まとめ

  • 店舗全体の粗利率ではなく、商品×モールで広告後の粗利を見る
  • 手順は「商品コードをそろえる → 売上を集める → 原価・変動費 → 広告費をひもづけ → 表にする」
  • 同じ売上でも、手数料・送料・広告費でモールごとの粗利は大きく変わる
  • 更新が続く仕組みにして、毎週・毎月見直す

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