EC広告費は売上の何%まで?利益から決める広告費の上限と計算例

「EC の広告費は売上の何%が目安ですか」という質問はとても多いです。ネット上には「10%前後」「20%まで」などの数字がありますが、商品の粗利率や店舗の固定費によって、適切な上限はまったく変わります。この記事では、他社の目安に頼らず、自店の数字から広告費の上限を決める方法を説明します。
「売上の何%」で決めると起きる問題
粗利率が違えば上限も違う
粗利率60%の商品と25%の商品で、同じ「売上の15%」を広告に使えば、前者は余裕があり、後者は利益がほとんど残りません。一律の比率は、商品構成が違う店舗どうしでは比べられません。
モールごとに手数料が違う
Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングでは、販売手数料やポイント原資の負担が違います。同じ商品でも、モールによって広告にかけられる額は変わります。
広告費の上限を決める3つの数字
- 広告前の粗利:売上 − 原価 − モール手数料 − 送料・梱包費 − ポイント原資など
- 固定費:家賃、人件費、システム利用料など、売上に関係なく毎月かかる費用
- 残したい利益:毎月最低限残したい営業利益
広告費の上限 = 広告前の粗利 − 固定費 − 残したい利益
これを売上で割れば、自店にとっての「広告費比率の上限」が出ます。

計算例:月商500万円の店舗
以下は説明用の計算例です。数字はきりのよい架空の値で、実在の店舗の数字ではありません。
項目 金額(計算例) 月商 500万円 原価 200万円 モール手数料・ポイント原資 60万円 送料・梱包費 40万円 広告前の粗利 200万円 固定費 100万円 残したい利益 50万円 広告費の上限 50万円この計算例では、広告費の上限は月50万円、売上比で**10%**です。もし固定費が70万円なら上限は80万円(16%)になります。同じ月商でも、上限は店舗ごとに変わることが分かります。

店舗全体の上限を、商品ごとに割り振る
店舗全体の上限が出たら、次は商品ごとに配分します。
商品ごとの損益分岐を出す
商品ごとに「この商品の広告ならACoS何%まで黒字か」を出します。式と計算例はACoSの損益分岐点を出す方法にまとめています。
余裕のある商品に寄せる
損益分岐に対して実際のACoSが十分低い商品は、予算を増やす候補です。反対に、損益分岐を超えている商品は、入札を下げるか止める候補です。モール広告での具体的な分け方はモール広告のROASをAI分析で改善する手順で紹介しています。
広告経由以外の売上も見る
広告をきっかけに自然検索での売上が増えることもあります。広告経由の売上だけでなく、店舗全体の売上に対する広告費(TACoS)も月ごとに並べて見ると、広告の効き方がつかみやすくなります。
よくある失敗
セール月の数字で上限を決める
楽天スーパーセールのような月は売上も広告費も大きく動きます。上限は平常月の数字で決め、セール月は別枠で考えるのがおすすめです。詳しくは楽天スーパーセールの利益確認をご覧ください。
モールごとに別の表で管理している
Amazonは管理画面、楽天はRMS、Yahoo!はストアクリエイターと、数字が別々の場所にあると、店舗全体の広告費比率を毎月出すだけで手間がかかります。同じ定義でまとめる方法はEC売上の見える化とECデータ連携で最初に決めることで解説しています。
上限を守りながら伸ばした例
私たちは運用支援で、広告費の上限を決めたうえで、商品ごとの配分をAIによる分析で見直してきました。運用支援での実績の例として、Amazon広告のROASが320%から580%(最高月)、楽天RPPのROASが約200%から約400%になったケースや、月商1,451万円(前年同月比+15.5%)の例があります。成果は商品・市場・季節によって変わります。
この手順をツールにしたのがEC Choice AIです。モールごとの売上・広告費・原価・手数料をまとめ、商品ごとの広告後の粗利と、店舗全体の広告費比率を同じ画面で確認できます。
まとめ
- 「売上の何%」という相場ではなく、自店の粗利と固定費から上限を決める
- 広告費の上限 = 広告前の粗利 − 固定費 − 残したい利益
- 上限を商品ごとの損益分岐で配分し、余裕のある商品に寄せる
- 上限は平常月で決め、セール月は別枠で考える
まずは無料で試す
EC Choice AIのFreeプランは¥0・1モールまで、クレカ不要で始められます。有料プランはStandard 月¥9,800(税別)、Premium 月¥24,800(税別)です。AIによる改善提案はPremium以上でお使いいただけます。
