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モール別の利益率はなぜ違う?手数料・送料・ポイント・広告まで入れた比べ方

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同じ商品を、自社EC(Shopify)と楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングで同じ価格で売っている。売上はモールAが一番大きい。では、一番利益を残しているのもモールAか——実際に計算してみると、そうではないことがよくあります。

モールごとに、手数料の種類、送料の負担、ポイントの原資、広告のかかり方 が違うからです。この記事では、その違いを分解し、商品×モールの広告後粗利 を出す手順を架空の数字で示します。手数料の率は、各モールの公式料金表の確認先とあわせて載せています。

同じ商品でも利益が変わる4つの理由

1. 手数料の「種類」が違う

モールの費用は、販売手数料(システム利用料)だけではありません。

  • 売上に比例する手数料(販売手数料・システム利用料・売上ロイヤリティ)
  • 決済の手数料
  • ポイントの原資、アフィリエイト経由の報酬
  • 月額の出店料・プラン料金(売上に関係なくかかる固定費)

モールによって、どれがあって、どれが無いかが違います。販売手数料の率だけを比べると、比較を誤ります。

2. 送料・物流の負担が違う

送料無料ラインの設定、配送代行(Amazon の FBA など)を使うかどうかで、1個あたりの物流費が変わります。価格の低い商品ほど、利益率への影響が大きくなります。

3. ポイント・クーポンの負担が違う

店舗負担のポイントやクーポンは、実質的な値引きです。セールやキャンペーンの時期だけ負担が増えるなら、その期間の利益率も下がります。

4. 広告のかかり方が違う

モール内の検索広告、自社ECに送客する Google広告・Meta広告など、売れ方によって1個あたりの広告費は大きく違います。広告費を引く前の粗利で比べると、広告に頼って売れているモールの利益を過大に見積もります。

各モールの料金はどこで確認するか

以下は 2026年10月14日に各社の公式ページで再確認した内容の要約です。料金は改定されることがあり、プラン・カテゴリー・決済方法で変わります。計算に使う前に、必ず最新の公式ページを確認してください。 Shopifyのカード料率は、オンラインの標準カード料率だけを書いています。ほかのカードブランドや海外発行カードは同じ料金表に別の記載があるため、ここには書きません。楽天スーパーアフィリエイトは、公式の共通料金表にある範囲です。同じページのシミュレーション注記では幅の書き方が違うので、どちらを使うかも最新の料金表で確認してください。

楽天市場

  • 月額出店料(税別): がんばれ!プラン 25,000円、スタンダードプラン 65,000円、メガショッププラン 130,000円
  • システム利用料: プランごと、パソコン・モバイル別の率(例: スタンダードプランはパソコン 2.0%〜4.0%、モバイル 2.5%〜4.5%)
  • ほかに、楽天ポイント(通常は購入代金の1.0%)、楽天スーパーアフィリエイト(経由売上の2.6〜5.2%)、取引の安全性・利便性向上のためのシステム利用料(月間売上高の0.1%)、楽天ペイ利用料(月間決済高の2.5%〜3.5%)など
  • 公式ページには、2027年2月1日に月額出店料を改定すると記載があります
  • 出典: 楽天市場 出店プラン・費用

Amazon(Amazon.co.jp)

  • 出品プラン: 大口出品は月額4,900円(税抜)、小口出品は商品ごとに100円
  • 販売手数料: カテゴリーごとに異なり、公式ページでは「多くの場合は5%〜15.4%」。カテゴリーによっては最低販売手数料もあります
  • FBA を使う場合は、配送代行手数料や在庫保管手数料などが別にかかります
  • 出典: Amazon 出品にかかる費用

Yahoo!ショッピング

  • 月額システム利用料 10,000円(税抜)、売上ロイヤリティ 2.5%
  • ストアポイント原資負担 1%は必須(1%〜15%で設定)
  • アフィリエイトパートナー報酬 2%〜4%は必須(2%〜50%で設定、カテゴリーで異なる)と、アフィリエイト手数料(パートナー報酬の30%)
  • 決済サービス利用料は決済方法で異なります
  • 公式ページには、LINEショッピングタブ経由の料金が2027年1月から発生すると記載があります
  • 出典: Yahoo!ショッピング 出店にかかる費用

Shopify(自社EC)

  • Shopify ペイメントのオンライン標準カード料率: Basic 3.55%、Grow 3.4%、Advanced 3.25%、Plus 2.9%
  • Shopify ペイメント以外の決済サービスを使う場合は、別に取引手数料(Basic 2%、Grow 1%、Advanced 0.6%、Plus 0.2%)
  • 月額のプラン料金は別
  • 出典: Shopify 料金プラン

商品×モールの広告後粗利の出し方

1個あたりで、次の順に引いていきます。

  1. 売上(販売価格・税抜)
  2. − 原価
  3. − 売上に比例する費用(販売手数料・決済・ポイント原資・アフィリエイトなどを合計した率 × 売上)
  4. − 1個あたりの物流費(送料・梱包・配送代行)
  5. = 広告前の粗利
  6. − 1個あたりの広告費(その商品×モールの広告費 ÷ 販売個数)
  7. = 広告後粗利

月額の出店料やプラン料金は、売上の増減に関係なくかかる固定費です。商品ごとの比較には混ぜず、モール全体の利益で別に確認すると、商品の判断がぶれにくくなります。

架空の例で比べる

以下は説明用の 架空の商品と架空の率 です。実在のモールの料金や、実在の店舗の数字ではありません。

共通条件: 販売価格 5,000円(税抜)、原価 2,000円。

自社EC

  • 売上に比例する費用 4%(200円)、送料(自社負担)700円
  • 広告前の粗利: 5,000 − 2,000 − 200 − 700 = 2,100円
  • 広告費: 月60,000円、販売100個 → 1個あたり600円
  • 広告後粗利: 1個あたり1,500円(月150,000円、売上に対して30%)

モールA

  • 売上に比例する費用 14%(700円)、送料 500円
  • 広告前の粗利: 5,000 − 2,000 − 700 − 500 = 1,800円
  • 広告費: 月270,000円、販売300個 → 1個あたり900円
  • 広告後粗利: 1個あたり900円(月270,000円、売上に対して18%)

モールB

  • 売上に比例する費用 10%(500円)、配送代行など 450円
  • 広告前の粗利: 5,000 − 2,000 − 500 − 450 = 2,050円
  • 広告費: 月325,000円、販売250個 → 1個あたり1,300円
  • 広告後粗利: 1個あたり750円(月187,500円、売上に対して15%)

何が分かるか

  • 月の売上は モールA 150万円 > モールB 125万円 > 自社EC 50万円
  • 広告前の粗利率は 自社EC 42%、モールB 41%、モールA 36%。モールBは自社ECとほぼ並ぶ
  • ところが広告後粗利率は 自社EC 30% > モールA 18% > モールB 15% と順番が入れ替わる

モールBは手数料だけを見ると有利ですが、広告に頼って売れているため、広告後には一番利益率が低くなっています。打ち手も「モールBの広告を減らすと売上がどこまで落ちるか」「自社ECにもう少し送客できないか」と具体的になります。

もちろん、別の商品では順番が逆になることもあります。モール単位の平均ではなく、商品×モールの組み合わせで見る のがポイントです。

よくある落とし穴

  • 手数料率を販売手数料だけで入れる: 決済・ポイント・アフィリエイトを足すと、率は大きく変わります
  • 広告費をモール全体でしか持っていない: 商品まで紐づかない広告費は、売上比などで按分するしかありません。その場合は 概算 だと分かる形で扱います
  • 広告経由の売上を媒体ごとに足す: 複数の広告が同じ注文を成果に数えることがあり、合計すると実際より大きくなります
  • 原価が古い・空欄: 空欄を0円として計算すると、利益が実際より大きく見えます

1つの商品×モールで広告をどこまでかけてよいかは、広告の損益分岐 ACoS・ROAS 計算ツール で確かめられます(登録不要)。販売個数と広告費まで入れた広告後粗利の概算は、広告後粗利の計算ツール で出せます。入力した数字は、どちらもブラウザの中だけで計算します。考え方は ROASの損益分岐点の記事 で詳しく説明しています。モールごとの費用の入れ方は、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、Shopify のページに分けています。

商品×モールで続けて見るには

商品とモールの組み合わせが増えると、毎月表計算で出し直すのは大変です。EC Choice AI では、商品原価を登録し、広告費をCSVなどで取り込むと、商品×モールごとの広告後粗利 を同じ画面で見られます。原価が未登録の商品は「未確定」として扱い、商品まで紐づかない広告費はモールの売上比で按分した概算として表示します。

赤字の商品や広告費が粗利を上回っている商品は「次にやること」の候補に出ます。施策として記録すると、実施前後の数字を比べられます。

まとめ

  • モール別の利益の差は、手数料の種類・送料と物流・ポイント・広告の4つから生まれる
  • 手数料の率は、各モールの最新の公式料金表で確認する
  • 比べるのは 広告後粗利。売上や広告前の粗利だけで比べると順番を誤る
  • 平均ではなく 商品×モール の組み合わせで見る

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